第十巻 酉の巻 総説歌
2008/06/08(Sun)
第十巻 酉の巻  総 説 歌


 世は常暗となり果てて                 再び天(あま)の岩屋戸(いはやど)を
 開く由(よし)なき今の世は               心も天(あま)の手力男(たぢからを)
 神の御出(みで)まし松虫の              鳴く音(ね)も細き秋の空
 世の憂事(うさごと)を菊月(きくづき)の        十(とう)まり八(や)つの朝(あした)より
 述べ始めたる霊界の                  奇(く)しき神代の物語
 三(み)つの御魂(みたま)に因みたる         三筋(みすぢ)の糸に曳(ひ)かれつつ
 二度目の岩戸を開き行く               一度に開く木の花(このはな)の
 色香(いろか)目出度き神嘉言(かむよごと)    常世の国の自在天
 高く輝く城頭(じやうとう)の              三ツ葉葵(あふひ)の紋所(もんどころ)
 科戸(しなど)の風に吹きなびき           思想の洪水氾濫し
 ヒマラヤ山頂浸(ひた)せども             明(あけ)の烏(からす)はまだ啼(な)かず
 長鳴鳥(ながなきどり)も現はれず          橄欖山(かんらんざん)の嫩葉(わかば)をば
 啣(ふく)みし鳩の影もなし               天地(てんち)曇りて混沌と
 妖邪の空気充ち充ちて                人の心は腐りはて
 高天原(たかあまはら)に現はれし          ノアの方舟(はこぶね)尋ね侘び
 百(もも)の神人(かみびと)泣き叫ぶ         阿鼻叫喚の惨状を
 救ひ助くる手力男(たぢからを)の          神は何(いづ)れにましますぞ
 天(あめ)の宇受女(うづめ)の俳優(わざをぎ)の   歌舞音曲は開けども
 五(い)つの伴男(とものを)はいつの日か      現はれ給ふことぞかし
 つらつら思ひめぐらせば               天(あま)の手力男(たぢからを)坐(ま)しませど
 手を下(くだ)すべき余地もなく            鈿女(うづめ)舞曲を奏(そう)しつつ
 独り狂へる悲惨さよ                  三五教(あななひけう)の御諭(みさと)しは
 最後の光明(くわうみやう)艮(とど)めなり      ナザレの聖者キリストは
 神を楯としパンを説き                 マルクス麺麭(パン)もて神を説く
 月照彦の霊(たま)の裔(すゑ)            印度の釈迦の方便は
 其侭(そのまま)真如実相か             般若心経を宗(しう)とする
 竜樹菩薩(りうじゆぼさつ)の空々(くうくう)は     これまた真理か実相か
 物理に根ざせる哲学者               アインスタインの唱へたる
 相対性の原理説は                  絶対真理の究明か
 宗教学者の主張せる                 死神死仏(ししんしぶつ)を葬りて
 最後の光は墓を蹴り                 蘇へらすは五六七神(みろくしん)
 胎蔵(たいざう)されし天地(あめつち)の       根本改造の大光明(だいくわうみやう)
 尽十方無碍光如来(じんじつぱうむげくわうによらい)なり   菩提樹の下(もと)聖者をば
 起(た)たしめたるは暁(あかつき)の         天明(てんめい)閃(ひらめ)く太白星(たいはくせい)
 東の方(かた)の博士(はかせ)をば         馬槽(ばそう)に導く怪星も
 否定の闇を打破(うちやぶ)る            大統一の太陽も
 舎身供養の炎まで                 残らず五六七(みろく)の顕現ぞ
 精神上の迷信に                  根ざす宗教は云ふも更
 物質的の迷信に                  根ざせる科学を焼き尽し
 迷へる魂(たま)を神国(かみくに)に        復(かへ)し助くる導火線と
 秘かに密かに唯一人               二人の真(まこと)の吾(わが)知己(ちき)に
 注がむ為の熱血か                 自暴自爆の懺悔火か
 吾(われ)は知らずに惟神(かむながら)      神のまにまに述べ伝ふ
 心も十(たり)の物語                はつはつ爰(ここ)に口車(くちぐるま)
 坂の麓にとどめおく                あヽ惟神々々
 御霊(みたま)幸はへましませよ。

                        ○

 三箇の桃と現はれし               松、竹、梅の姉妹(おとどい)が
 獅子奮迅の大活動                智仁勇をば万世(よろづよ)に
 残す尊(たふと)き言の葉(ことのは)の     いや永久(とこしへ)に茂りつつ
 八洲(やしま)の国の礎(いしずゑ)を       造り固めしその如く
 数多(あまた)の人を大神(おほかみ)の    誠の道に誘(いざな)ひて
 雄々しき魂(たま)となさしめよ         黄泉比良坂大峠(よもつひらさかおほたうげ)
 昔も今も同じこと                 三(み)つの御魂(みたま)に神(かむ)習ひ
 三月三日の桃の花               五月五日の桃の実と
 なりて御国(みくに)に尽せかし         神は汝と倶(とも)にあり
 御仁慈(みなさけ)深き大神の         御手(みて)に曳かれて黄泉国(よもつくに)
 うとび来(きた)らむ曲神(まがかみ)を     誠の教(をしへ)の剣もて
 善言美辞(ぜんげんびじ)に打払ひ      その身その侭(まま)神となり
 皇御国(すめらみくに)に御爲(おんため)に  力限りに尽せよや
 神を離れて神に就(つ)き            道に離れて道守る
 誠一つの三五教の               月の心を心とし
 尽す真人(まびと)ぞ頼母(たのも)しき     あヽ惟神々々
 御霊(みたま)の幸(さち)を賜(たま)へかし。

大正十一年二月廿七日 旧二月一日
                                   於竜宮館   王  仁  識

                        ○

        大神の御霊(みたま)の宿る肉の宮に
             曲津の神のすぐふべしやは


        かむながらたふとき道を歩む身は
             高天原(たかあまはら)に清処(すがど)を持つなり






歌の中にある、三月三日はとっくに過ぎてしまいましたが、
きょうは、旧暦の五月五日です。


〔追記 6/8(水)〕 秋葉原の事件が起こったのは、この総説歌を書いている最中でした。 
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